以下は、予備自衛官補採用試験・一般/技能のうち、技能についての試験当日の流れになります。
ただ、大きな流れは変わらないようですので、一般を考えている方にも、雰囲気は伝わるのではないでしょうか。
予備自衛官に興味のある方の参考になれば幸いです。
試験会場
予備自衛官補採用試験は、一般は各都道府県で行われます。
これに対し、法務を含め、技能は北海道、東北、関東・甲信越(静岡含む)、東海・北陸・近畿・中国・四国、九州の5つの地域にごとに行われます(海上自衛隊は、大湊、横須賀、舞鶴、呉、佐世保)。
住んでいる場所によっては、試験場までかなりの時間がかかる可能性があり、試験開始時間も早いことから、場合によっては前泊する必要もあるので注意が必要です。
関東甲信越は、東京の朝霞駐屯地(練馬区)が試験会場です。
持って行く物
持っていく物としては、以下のものです。
① 受験票
② 身体検査表
③ 問診票
④ 筆記用具
⑤ 身体検査用のTシャツ、短パン
⑥ 昼食
①②③は、受験申込後、地方協力本部より届けられます。
②③は、試験当日までに、受験番号や氏名、病歴など一定の事項を記載しておく必要があります。
この記載漏れにより試験の進行が遅れてしまうことが、しばしばあるとのことなので、試験前日までに必要事項が記載されているか確認しておきます。
④ 筆記用具は、鉛筆、消しゴム、ボールペン等です。
⑤ 身体検査の際はシャツと短パンに着替えます。シャツは黒の無地が望ましいですが、うろ覚えですが、灰色や紺の方もいたと記憶していますので、そこまで厳密ではないようです。
⑥ 試験当日、駐屯地内の売店は利用できません。自分で昼食を持っていく必要があります。電子レンジやお湯も利用できないので、カップ麺等は食べれません。
飲み物については、駐屯地内の休憩所の自販機が利用できます。
服装
スーツが適切です。
予めネットで調べたとき、Tシャツにジーパン姿の猛者もいたという話を聞いていましたが、私が受験した時は、全員スーツでした。
試験当日の流れ
以下の説明は、東京試験場の試験の流れとなりますが、試験の流れ自体はいずれの会場も大きな差異はないと思われます。
一旦駐屯地前に集合
予備自衛官補採用試験の開始時間は、朝8時30分です。
ただ、一旦駐屯地前(朝霞門)に集合し、そこからマイクロバスで駐屯地内の試験会場に移動します。
バスは20人乗りくらいのものなので、受験生全員を門前から試験室へ移動させるのは何回か往復する必要があり、その分時間がかかります。
余裕を持って試験会場に入るためには、できれば1時間前くらいに到着するのが望ましいでしょう。
なお、朝霞駐屯地の最寄駅は和光駅ですが、この和光駅から朝霞門前までは、徒歩で20分、タクシーでも7、8分程度かかります。
1時間前に門前に到着するには、和光駅に1時間30分前(7時)到着を目安にするのがよいと思われます。
なお、自衛隊地方協力本部から、試験場に到達したら連絡して欲しいと言われることがあります。茨城県では、受験者が試験場に到着したかの確認をしたいということで、連絡を求められました。
試験会場へはバスで移動
駐屯地前に集合した後、バス乗降場で自分の氏名と受験番号を告げ、基地内の通行許可証を受け取ります。この許可証がないと駐屯地の中には入れません。
許可証を受け取った後、順次マイクロバスに乗り、試験会場に移動します。
集合した後、と書きましたが、受験生全員が門前に全員集まってから移動ではないので、到着した順での移動となります。
大体、7、8分くらいで試験会場に到着します。
到着したら、試験会場である建物の前に設けられた受付で受付します。机の左側が東京、右側が東京以外の受験生の受付でした。ここで身体検査表、問診票を提出します。
受付終了後、建物に入ります。靴はビニールに入れて持ち、置いてあるスリッパに履き替えて試験室に入ります。
受験席は指定されているので、自分の受験番号が貼られている席に着席します。机上には試験の注意事項や流れが記載されたプリントがあるので、よく読んでおきます。
なお、朝霞試験場の法務の受験生は、私を含めて4人でした。
試験開始
8時30分になると、試験の全般説明がなされます。
試験当日は、受験生はいくつかの班に分かれ、班単位で行動します。
試験内容は、筆記試験、口述試験、適性検査、身体検査となります。
身体検査、口述試験がまず行われ、両者が終了後、適性検査、筆記試験となります。
身体検査、口述試験は、班ごとに行われ、最初に身体検査をする班もあれば、口述試験が最初になる班もあります。
概ね、身体検査、口述試験が終了した後、昼食を取り、適性検査、筆記試験という流れになります。
身体検査
運動能力、身体表面、視力、聴力、色覚、レントゲン、尿、等々の検査が行われます。また、予め提出した問診票を元に、問診も行われます。
検査場は試験会場とは別の建物になるため、ここでもバスで移動します。
運動能力は、試験官の指示通りに屈伸や手指の伸縮などを行います。
この際、文字通りの身体の検査も行います。シャツを脱いで、身体の表面上の異常がチェックされます。私の場合、昔に出来たできものの痕について聞かれました。結構細かいチェックが行われます。
視力、レントゲン、尿は一般の健康診断と同様です。聴力、色覚は、学校で行われた検査と同様です(最近はこれらの検査は行われていない?)
概ね、一般の健康診断や診療と変わりはありません。
1通り終わるのに、大体1時間程度です。
検査が終了したら、再びバスで試験会場へ戻ります。
口述試験
試験と名前がつけられていますが、面接です。司法書士試験の口述試験のような、専門的知識に関する受け答えはありません。
面接室も別建物となります。ただ、すぐ近くなので、こちらは徒歩で移動します。
面接室では、面接官である現役の幹部自衛官の方が3人、対面席に座り、その前の椅子に座って面接を行います。
内容は、私の場合はですが、志望動機や、家族や周辺の人の理解、予備自衛官補を経て予備自衛官になった後、長く続ける意思があるか、海外で活動しているが、その点についてどう考えるか、訓練の際はある程度まとまった日数が必要だが大丈夫か等を聞かれました。
他の受験生の方の話を聞いても、概ねこのような内容のようです。
私の場合、訓練のための日数確保について、やや細かく聞かれました。
確かに事業者なので、スケジュールの確保は会社員の方に比べればしやすいですが、急な相談や依頼が来るケースもあります。そのような場合はどのように対応するつもりか、事務員の方が対応できるのかなどを聞かれました。
面接官の方としては、志望動機等も大事にせよ、きちんと訓練に来れるかを気にされているように感じました。折角採用しても仕事で訓練に来れないというのでは意味がありませんから、ある意味当然の事ではあると思いますが。
また、幸い(?)私は独り身なので問題はありませんでしたが、配偶者やお子さんのいる方は、家族の理解についてやや細かく聞かれるようです。やはり周囲の反対で、いざ訓練というときに来れなかったというのでは困るということだと思います。
面接は10分ほどで終了します。
終了したら、試験会場へ戻ります。
適性検査
試験会場に戻ると、大体お昼になっています。適性検査、筆記試験が始まるまでの間に、昼食をとります。
午後1時から適性検査、休憩を挟んで筆記試験となります。
時間は、適性検査が45分、論述試験が1時間です。
一応、事前に市販の予備自衛官補採用試験問題集を買って、一通り問題は解いてみました。その中には数的処理、推論問題などもあったのですが、実際の試験問題は、そのようなものはなく運転免許試験の性格診断のような感じです。性格や考え方の質問に、はい、いいえで答えていく形式です。
あまりにネガティブなことを書かなければ問題ないのでしょうか。
特に考えたり計算したりという作業をする必要がないため、すぐに終わってしまいます。
時間がかなり余ります。
筆記試験
小論文です。
題が与えられ、これについてA4の用紙に記入していきます。
技能でも、専門的知識を必要とする内容ではなく、志望分野についての考えを聞く内容のものでした。自分なりの考え方を示せればよいのでしょうか。
一般の筆記試験では、小論文(作文)に加え、国語、数学、理科、社会、英語の問題が出ます。
試験終了
筆記試験が終わると、試験は終了となります。
朝と同様、マイクロバスで複数回に分けて門前に移動します。
到着したのは、18時少し前。
上述したように、予め提出する身体検査表や、問診票に記載漏れがあると、全体の進行が送れ、終了時間も遅くなってしまう場合があります。
門前でバスを降り、解散です。
試験結果発表はおよそ1ヵ月後です。