被相続人の債務を引き継がない、特定の相続人に財産を承継させるためなど、相続放棄をすることとしたら、速やかに相続放棄の手続に入ります。

相続放棄の手続は、被相続人の最後の住所地(住民票を置いている市区町村)の管轄家庭裁判所に対して行います。

 ⇒管轄家庭裁判所の確認(裁判所公式サイト)

具体的な相続放棄の手続の流れは以下のようになります。

  1. 1.戸籍謄本の収集
  2. 2.相続放棄申述書の提出
  3. 3.照会書の受取、回答書の提出
  4. 4.相続放棄受理通知書の受取

 

1.戸籍謄本の収集

まず、被相続人の戸籍(除籍)謄本と住民票の除票または戸籍の附票、相続放棄をする方の戸籍謄本を取得します。

被相続人の戸籍は、被相続人死亡の記載があるかものであることが必要です。

相続放棄をする方の戸籍は、被相続人の相続人であることが確認できるものであることが必要です。

例えば、父親が亡くなり、子が相続放棄する場合、子の戸籍に父親の記載があることを確認します。

 

2.相続放棄申述書の提出

相続放棄申述書の入手

相続放棄申述書は、裁判所のホームページからダウンロードできます。

⇒相続放棄申述書のダウンロード(申請人が20歳以上の場合。裁判所公式サイト)

⇒相続放棄申述書のダウンロード(申請人が20歳未満の場合。裁判所公式サイト)

また、裁判所で貰うこともできます。

 

申述書の記入

上の申述書ダウンロードのページに記載例もあるので、これを参考にしながら記入していきます。

記入が終わったら、収入印紙800円を貼り付けます。

 

相続放棄申述書の提出

相続放棄申述書と、1.で収集した戸籍一式を管轄家庭裁判所の相続放棄担当部署に提出します。

郵送のほか、裁判所に直接持参することもできます。

この際、後の照会書・回答書など書類の送付のための切手を同封します。

裁判所により取扱が異なるので、予め必要な額を裁判所に確認しておきます。

 

3.照会書の受取、回答書の提出

相続放棄申述書を提出し、その内容に問題がなければ、提出から1~2週間ほどで裁判所から照会書と回答書という書面が送られてきます。返送用の封筒も同封されています。

これらは相続放棄の要件を満たしているかの質問書と考えると分かりやすいと思います。

この照会書・回答書は裁判所により内容が異なりますし、相続放棄にいたる経緯によっても異なってきます。

回答書には種々の質問がありますが、真意に基づく放棄か、被相続人の死亡を知ったのはいつか、相続財産の処分をしていないか等があります。

これらに順に答えを記入し、記入が終わったら、同封された封筒で裁判所に返送します。

 

4.相続放棄受理通知書の受取

回答書を返送し、無事相続放棄が認められると、裁判所から相続放棄受理通知書が送られてきます。

概ね、回答書を送ってから1~2週間ほどです。

この相続放棄受理通知書は再発行されませんので、大事に保管して下さい。

なお、相続の手続には、相続登記も含めてこの相続放棄受理通知書・・・で足りる場合が多いですが、もしも相続放棄受理証明書・・・が必要になった場合は、その発行を請求します。

請求のための書類は、相続放棄受理通知書といっしょに送られてきますので、これを使用します。

 

◇ その他相続手続に関する情報
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